脚腰のインナーマッスル:脚の回転歩行

背骨や骨盤と大腿骨(太ももの骨)をつないでいるのが、腸腰筋(ちょうようきん)というインナーマッスルです。

今回ご紹介する「ピボット・ウォーキング」は主にこの外旋筋群と、脚の骨を内側に回転させる働きを担当している様々な筋肉を同時に鍛えるための筋力トレーニング方法です。

管理人が調べた限りでは、人間の場合股関節を内旋、つまり内側に旋回させる機能だけを担った筋肉は存在せず、小殿筋や中殿筋、その他大腿骨をコントロールしている筋肉などが連携して働いているようです。

外旋筋群の構造と働き

まずは左の図を見てください。
外旋筋群というのはその名前の通り、複数の細かい筋肉の集まりです。

外旋筋を構成しているのは、梨状筋・上双子筋・下双子筋・外閉鎖筋・内閉鎖筋・大腿方形筋の6つの筋肉です。

しかし、トレーニングを行う上ではとりあえず一つのまとまった筋肉として理解しておいても問題ないでしょう。

外旋筋群の構造と働き※機能解剖学ソフトウェア「解体演書」の画像を加工して使用しています。

右の図は体の後側、つまり背中側から見た骨格と筋肉の構造を表したものですが、外旋筋群がオレンジの方向に収縮することにより、大腿骨が体の外側(青い矢印の方向)に向かって回転する力が生まれます。

また、外旋筋群は骨盤を外側から支える事で、その位置を正しく保つ役目も果たしています。

ピボット・ウォーキング

それではトレーニングの方法を説明しましょう。

「ピボット」とは回転する軸のことを意味していて、バスケットボールなどでもおなじみの言葉だと思います。

ピボット・ウォーキングは重心移動によって回転軸を作りながら横歩きをする事で、脚を根元から回転させるインナーマッスルを総合的に鍛えるための筋力トレーニング種目になります。

STEP1

まずは足をやや開いた状態でまっすぐに立ち、両足のつま先を開いて逆八の字を作ってください。

ピボット・ウォーキング ステップ1

必要以上にヒザを突っ張る必要はありませんが、脚は伸ばした状態にしておきましょう。

STEP2

ここからはちょっと難しくなります。

まず、左足の重心をかかと部分に、右足の重心を親指の付け根の部分に乗せます。

次に、左足はかかとを中心に、右足は親指の付け根を中心にして、それぞれの脚が右に移動するように足を回転させるのです。

ピボット・ウォーキング ステップ2

動作に慣れるまでは、写真のように片足ずつ行い、慣れたら両足同時に行うようにしてみてください。
ここまでの動作で、足が漢字の八の字のようになっていればOKです。

STEP3

次に、今度は右足の重心をかかとに、左足の重心を親指の付け根に移動させます。
そしてまたそれぞれの回転軸を中心に、足を右に移動させるのです。

ピボット・ウォーキング ステップ3

今度はスタートした時と同じように、つま先側が開き、かかと側が閉じた状態になるでしょう。

ここまで来たらあとはSTEP2~STEP3を繰り返して、どんどんと横歩きを続けていくだけです。
参考までに、下記に動画を用意しました。

 バランスを取るために、左に向かって歩く方法も行ってみてください。

この種目を行う上での注意点

ピボット・ウォーキングを行うに当っての注意点は以下の通りです。

なお、初めてインナーマッスルのトレーニングを行う方は、「インナーマッスル基礎知識」「トレーニングの前に」のコンテンツを必ずご覧下さい。

動作の速度について

動作速度は他のインナーマッスルの筋トレ種目と同様に、やや速めのペースで行うのが良いでしょう。管理人の場合はステップごとに約0.5秒、言い換えると
・足を逆八の字から八の字の状態にするのに約0.5秒
・足を八の字から逆八の字の状態に戻すのに約0.5秒

と、合計で約1秒くらいのスピード感で行っています。

ただし、慣れないうちは慌てると足がもつれて転ぶ危険があるので(笑)、無理をしないように注意してください。

負荷の強さとセット数

左右にそれぞれ20~30ステップを1セットとして、2~3セッ行うくらいが標準的なトレーニング量になると思います。

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