インナーマッスルだけではダメ?
最近、インナーマッスルというものの存在が広く知られるようになりました。
テレビや雑誌など色々なメディアでインナーマッスルを鍛える方法が解説されていたり、その効果について紹介されているのを見たことがあるという人も多いでしょう。
確かにインナーマッスルというのは人間の体にとって重要な組織で、しっかり鍛えれば怪我を防止できたり、スポーツの能力がアップしたり、肩こりや腰痛などが改善されたりする事があるのは事実です。
しかし、インナーマッスルを強化するだけで望む効果が得られたり問題が解決するのかというと、必ずしもそうとは限りません。
今回は、その理由について解説しましょう。
人体と筋肉の構造
人間の体には内蔵から眼や耳の中まで実に色々なところに無数の筋肉がありますが、「体を動かす」という役割を果たす筋肉に限定すれば、2つのグループに分けることができます。
一つはアウターマッスル、そしてもう一つがインナーマッスルです。
アウターマッスルの役割は、体を動かすときのメインパワーとなるような大きな力を生み出すこと。
ヘリコプターに例えるなら、一番上に付いている大きなプロペラ(メインローターと言うそうです)のようなものですね。
例えば、しゃがんだ姿勢から立ち上がる時に太ももに手を当てていると、太もものアウターマッスルが緊張していることが分かるでしょう。
そしてインナーマッスルの役割は、力の方向を整えたりアウターマッスルを補助すること。
これは、ヘリコプターで言えば、後ろの方などにくっついている小さなプロペラ(サブローター)のようなものになると思います。
※ヘリコプターの詳しい構造はさておき、とりあえず「補助として動いているもの」と理解して下さい。
「インナーマッスルを実感する」のページにあるような動作を試してみれば、普段はあまり意識することのない細かい筋肉が動いていることがよく分かるでしょう。
大切なのは力のバランス
インナーマッスルとアウターマッスルは、お互いに力を出し合って働いています。
そして、重要なのはそのバランスです。
「アウターマッスルが強いのにインナーマッスルの方はイマイチ」という人がインナーマッスルのトレーニングを行った場合は、大きな効果が得られるでしょう。
しかし、もともと体全体の筋力が弱い人がインナーマッスルだけを鍛えても、根本的な原因が解決されない事になり効果は期待できません。
例えば、運動不足で筋肉が衰えている人が、「◯◯体操」というようなインナーマッスルを動かすエクササイズをちょっとやってみても、焼け石に水になる可能性が高いということです。
メイン動力が弱っていてうまく飛べないヘリコプターの補助装置をいくら強化しても意味が無いのと同じです。
運動能力をアップさせたり体の不具合を解消したい場合は、体全体の筋力バランスが大切であることを意識するようにしてください。
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