インナーマッスルを鍛える理由
カンのいい方なら、前回の記事「インナーマッスルの役割」の内容を読んでいただいただけで、なぜインナーマッスルを鍛える必要があるのかということを理解されたかもしれません。
しかしここは確認の意味で、インナーマッスルをトレーニングすることによって得られるメリットを細かく見ていきたいと思います。
動作の調整能力向上
前回の記事の中で、インナーマッスルは例えば体を回転させるなど、「動作を補助するための動き」を担当しているということを書きました。
つまり、インナーマッスルのトレーニングを行えば、この補助的な動作の能力が向上するということになるわけです。
・・・と言っても分かりにくいと思うので、具体的な例を挙げてみましょう。
例えば、サッカーをやっていたとして、ボールを蹴る時の体の動きは、決して直線的なものではありません。
狙った方向に力強く蹴るためには腰を素早く回転させ、脚を振る方向、足首の向きなども微妙に調整する必要があるでしょう。
格闘技など他のスポーツでも同じです。
経験のある方ならピンとくると思いますが、相手のガードをかいくぐって効果的なパンチを打つためには、ただ腕を強く突き出すだけでなく、パンチの軌道や相手に当った時の衝撃の方向をコントロールする必要があります。
だから関節の向きを微妙に変えたり、回転させるためのインナーマッスルも強く・正確な動きができる状態にしておくことが理想なのです。
もちろん、スポーツをしていない人にとっても、インナーマッスルのトレーニングは大きな意味があります。
日常生活の中でも動作にムダが無くなれば疲労も少なくなりますし、歩く・立ち上がるといったような「立ち振る舞い」も美しく行えるようになるからです。
姿勢や関節の位置の安定
もう一つ重要なのが、インナーマッスルを鍛える事によって体全体の姿勢や、関節の位置を安定させられるということです。
スポーツをしている人の場合、特にアウターマッスルをトレーニングする機会が多いので、アウターマッスルばかりが優先的に強化されてしまう事が多くなります。
そうすると、いざ力を出そうとした時にインナーマッスルがアウターマッスルの力に振り回されて、姿勢が不安定になったり、関節を正しい位置に保てなくなったりするのです。
ちなみに、よく野球選手は肩の関節のインピンジメント・シンドローム(ぶつかり症候群)になることがありますが、これは肩関節の骨同士が正しい位置を保持できなくなって起こる症状です。
また、日常生活で肩が上がらなくなる「四十肩」も、肩の筋力のアンバランスによって起こると言われています。
つまりインナーマッスルのトレーニングには、これらを予防・改善する効果があるということです。
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