随意筋と不随意筋
人間の体には無数の筋肉がありますが、その全ての筋肉が意志の力でコントロールできる、というわけではありません。
筋肉の基本的な性質を知っておくために、随意筋と不随意筋という筋肉の区分について簡単に説明しておきましょう。
随意筋とは
随意筋というのは簡単に言うと、自分の意志によって動かせる筋肉の事です。
例えば腕の力こぶの部分に当る上腕ニ頭筋や腹筋運動で使う腹直筋などは、ちょっと力を入れれば簡単に収縮させて硬くすることができますが、これは上腕ニ頭筋や腹筋などが随意筋だからです。
不随意筋とは
不随意筋というのは随意筋とは逆に、自分の意志によって動かす事ができない筋肉の事です。
例えば心臓の筋肉や胃の筋肉は、自分の意志で動かしたり止めたりする事はできません。
これは心臓や胃など内臓の筋肉が腕や脚の筋肉をコントロールしているような運動神経ではなく、自律神経という別のしくみによってコントロールされているからです。
インナーマッスルの性質
一応人間の筋肉は随意筋と不随意筋に分けられる訳ですが、中には「自分の意志で動かせる仕組みが存在する」というだけで「さあ動かそう」と思ってもなかなか自由自在には動かせない筋肉もあります。
例えば人間は耳を動かす動耳筋という筋肉を持ってはいますが、これを思い通りに動かせるのは一部の器用な人だけです。
・・・というとちょっと例えが適切ではないかもしれませんが(笑)。
インナーマッスルにもこれに似た面があり、一部の筋肉については単独で動かす事が難しかったり、初めのうちはなかなか動かしているという実感が無い場合があります。
肩のインナーマッスルなどは腕を正しい方向に動かす事である程度は深層部の筋肉が動いている事を実感しやすいですが、多列筋や骨盤底筋群などは、なかなか思うように「トレーニングしている実感」が得られないかもしれません。
しかし、普通のトレーニングでは鍛えにくいこれらの筋肉については、できるだけ対象の筋肉に意識を集中しながら、辛抱強く取り組んでいく他に方法が無いと思います。
特に普通の筋力トレーニングに慣れてしまっている人は筋肉に「効いている感じがしない」メニューを敬遠しがちですが、正しい方法で行っている限り、目的の筋肉が全く動いていないということはまず無いはずです。
だから「腹式呼吸を繰り返し行う」ような地味なインナーマッスルのトレーニング種目でも、どうか全身の筋肉をバランス良く鍛えるために、メニューに取り入れるようにしてみて下さい。
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