インナーマッスルの役割

前の項目でもちょっと触れましたが、インナーマッスルが体の中でどんな役割を果たしているかということについて、もう少し詳しく解説しておきたいと思います。

微妙な「動き」の調整

人間の体の動きというのは、非常に複雑なものです。

例えば「イスから立ち上がって歩く」という何気ない動作一つでも、手足の関節を微妙に回転させたりする動作を同調させて、柔らかく・効率的に行わなくてはなりません。

しかし仮に、人間の腕がヒジを曲げる筋肉とヒジを伸ばす筋肉の2つだけしか持っていなかったらどうでしょうか?

恐らく、一昔前のロボットのような直線的な動きしか出来ないでしょう。

複雑な動作を行うためにはヒジを曲げる・伸ばすというようなメインの動作と一緒に、上腕(ヒジから上の部分)や前腕(ヒジから手首までの部分)を回転させたりする補助的な動作が必要になってきます。

インナーマッスルの働きのおかげで、人は非常に複雑な運動を行うことができます

そしてインナーマッスルは体の中で、この「補助的な動作」の部分を担当しています。

つまり、体をひねったり手足を回転させて動作の微調整を行う時に「縁の下の力持ち」的な働きをしているのです。

関節の位置や姿勢の調節

上にも書いたように人間の体は柔らかく効率的に動くように出来ています。

その柔らかさの秘密の一つは、機械のように関節が完全に固定されていない構造にあります。

もしも人の手足が、車の車軸やドアのちょうつがいや、公園にあるシーソーの支点のように、土台にガッチリ固定されていたらどうでしょうか?

たぶん筋肉がどんなに柔軟であっても、肩を色々な方向に回転させたり、足で地面に円を描いたりするのは難しいはずです。

後ろを振り向く時も首だけを真横にグルン!と回転させるような、なんとも不気味な動作になってしまうでしょう(笑)

だから人間の関節は軟骨や腱などの柔らかい組織で連結されていて、骨と骨の位置が調節できるようになっているのです。

しかし、逆にあまりに関節がブラブラの状態になってしまえば、これもスムーズな動作の妨げになってしまうでしょう。

動作にあわせて骨と骨の位置を最適な位置に保たなくてはいけません。

このとき、関節の位置を調節しているのも、インナーマッスルになるわけです。

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