トレーニング器具と負荷の関係

インナーマッスルの筋力トレーニングでは、大きな負荷が必要になることはまずありません。

多くの場合はゴム製のチューブを使ったり、自分の体重や手足そのものの重さを負荷として筋肉を鍛えることが多くなります。

そこで、トレーニング効果を効率よく引き出すために、トレーニング器具による負荷のかかり方の違いを理解しておいてください。

ダンベルなどを使う場合

ダンベルは基本的に地球の重力を利用して(大げさですが^^;)運動負荷をかけるための道具ですので、よほど特殊な使い方をしない限り上から下方向にしか負荷がかかりません。

ダンベルは重力方向にしか負荷をかけられません

そのため、例えば肩を前後にスライドさせるセレタス・アンテリオのような種目を立ったまま行っても、目的の筋肉(前鋸筋)を鍛える効果はほぼゼロに近くなってしまうわけです。

トレーニングチューブを使う場合

トレーニングチューブはゴムの張力を利用して筋肉に負荷をかけるため、ゴムが引っ張られる方向に負荷がかかります。

また、ゴムの特性としてより引き伸ばした状態ほど強い負荷がかかるということも忘れないでください。

トレーニングチューブは、伸びた状態ほど負荷が増します

動作の終わりに近づくほど負荷が高くなりますので、例えば「力を入れたまま5秒停止」というトレーニングには最適です。

しかし逆に、前腕に筋肉を鍛える「プロネーション」のように筋肉をストレッチさせることが重要になる種目にはあまり向いていないトレーニング器具と言えます。

自重を利用する場合

自分の体重を利用する場合も、基本的にはダンベルと同じで重力を利用して負荷をかけることになりますが、姿勢によって負荷が変わるので注意が必要です。

自重を利用する場合は、姿勢によって負荷が変化します

例えばスプラスピナータやダイアゴナル・レッグレイズのように手や脚の重さが負荷となる種目では、肘や膝の関節をまっすぐ伸ばしたほうが重心が体から遠くなり、負荷は大きくなります。

逆に関節を少し曲げて行えば重心が近くなる分だけ負荷は弱くなるいうことです。

トレーニング方法を考えるときは

たまに「パンチ力を付けたいからパワーリストを腕に巻いている」という人がいるようですが、残念ながらこれは運動に必要な力の方向(腕を前に突き出す→後方から前方)と負荷のかかる方向(上から下)をよく理解していないことによる失敗例です。

皆さんも自分自身でトレーニング方法を考案したり、既にある方法をカスタマイズするときには、的外れのトレーニングを行って「くたびれ儲け」にならないように注意してください。

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