インナーマッスル・トレーニングの基本

インナーマッスルのトレーニングには、一般的にイメージされる筋力トレーニング(アウターマッスルの筋力トレーニング)とは大きく違う部分がいくつかあります。

具体的なトレーニング方法を解説する前に、インナーマッスル・トレーニングの特長と基本的な知識について説明しておきましょう。

インナーマッスル・トレーニングの特長

インナーマッスルのトレーニングが一般的な筋トレと大きく異なるのは、主に次の点です。

高重量・高負荷を使わない

ベンチプレスやスクワットのような筋力トレーニングでは、よほど特別な目的がある場合を除いて、8回とか10回、多くても15回ぐらい持ち上げるのが限界になるような重量を使います。

しかし、インナーマッスル・トレーニングの場合、10回や20回で疲れるような重量(高負荷)を使うことはまずありません。

なぜならインナーマッスルはもともと「補助的な動作」を行う時に働く筋肉で、大きくて太いアウターマッスルのように、大きな力を出すようには出来ていないからです。

高重量を使うとアウターマッスルが「俺の出番だ!」とばかりに働き出してしまうので、軽い負荷を使ってレップ数(繰り返し回数)を多くすることで鍛えるのが効果的なのです。

だから例えば、100kgのベンチプレスを軽々とやってのけるようなマッチョマンでも、肩のインナーマッスルを鍛える時には2~3kgくらいの使ったりするのが普通です。

ただし、1セットあたりのレップ数(動作を繰り返す回数)は最低でも20~30回くらいに設定して、筋肉に刺激を与える回数を増やすという方法をとります。

また、動作の速度に関しても、アウターマッスルのトレーニングよりも少し速くなります。
なお、動作の速度についてはそれぞれのトレーニング種目の解説ページに記載していますので、そちらを参考にして下さい。

筋肉の種類
アウターマッスル
インナーマッスル
回数重い(強い)軽い(弱い)
負荷・重量10回程度20~30回程度
動作速度ゆっくりやや速い
回復期間長い短い
疲労の度合い高い低い

ヘトヘトに疲れるまで行わない

筋力トレーニングというと「もう一回も持ち上がらない!」という状態か、またはそれに近いくらい疲労を感じるまで行うことを想像するかもしれません。

しかし、インナーマッスルを鍛える場合はハードに筋肉を追い込む必要はありません。

普段意識しにくい体の内部の筋肉を活性化し、適度な刺激を与えてやるだけで十分に効果が期待できます。

というよりもむしろ、強い疲労感が出るほどインナーマッスルに負荷をかけてしまうと日常動作や他の運動に支障が出てしまい、傷害を軽減・予防するという本来の目的とは逆の結果になってしまいかねないでしょう。

トレーニング間隔は短め

インナーマッスル・トレーニングは、アウターマッスルのトレーニングのように、筋肉に大きなダメージを与えるものではありません。

だから、筋肉の超回復に必要な時間も短く適度な回数・セット数であれば、ほぼ毎日行ってもオーバートレーニング状態にはなりにくいと考えられています。

ただし、筋肉の回復速度には個人差もありますので、必ずしも全ての人が「毎日トレーニングして大丈夫」というわけではありません。

あくまでもアウターマッスルに比べて回復時間が短い傾向にある、という話ですので、その点については注意してください。

まずは週に2~3回から開始して、必要を感じたら徐々に増やして行くのがいいでしょう。

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