肩の筋肉ローテーターカフとは
スポーツに関する雑誌などを見る人なら、
「肩の障害を予防したり軽減するには、ローテーターカフを鍛えるといい」
という情報を目にしたことがあるかもしれません。
しかし、ローテーターカフが何なのかということまで知っている人は少ないでしょうし、時には「ローテーターカフ筋」なんて書いてある場合もあるので「ローテーターカフって何?どこの筋肉?」と思っている人もいることでしょう。
今回はこの「ローテーターカフ」について解説したいと思います。
ローテーターカフという名前の筋肉は無い
実を言うとローテーターカフという名前を持った単体の筋肉が存在しているわけではありません。
ローテーターカフというのは肩周りのインナーマッスルである4つの筋肉、棘上筋(きょくじょうきん)・棘下筋(きょくかきん)・肩甲下筋(けんこうかきん)・小円筋(しょうえんきん)をあわせて呼ぶ名称なのです。
※機能解剖学ソフトウェア「解体演書」の画像を加工して使用しています。
とりあえずは「チーム名」のようなものだと考えると分かりやすいいでしょう。
チーム「ローテーターカフ」を構成するメンバー(筋肉)は、それぞれ別の役割を持っています。
そして、複数の筋肉がバランスよく力を出し合うことによって、肩の関節を構成する骨を正しい位置に整え、スムーズな動きを可能にしているというわけです。
ローテーターカフを構成する筋肉
トレーング解説のコンテンツと一部重複しますが、ここでそれぞれの筋肉の役割を簡単に解説しておきましょう。
棘上筋
棘上筋は肩甲骨の方から、腕の骨を体に引き付けるようにしてに引っ張り上げる筋肉で、「肩のインナーマッスル:腕の挙上1」などの種目で鍛える事ができます。
棘下筋
棘下筋は肩甲骨の後から腕の骨を体に引きつけるように外旋(外側に回転)させる筋肉で「肩のインナーマッスル:外回転1」などの種目で鍛える事ができます。
肩甲下筋
肩甲下筋は肩甲骨の内側に張り付くように位置していて、そこから腕の骨を体に引き付けつつ内旋(内側に回転)させる筋肉で、「肩のインナーマッスル:内回転1」などの種目で鍛える事ができます。
小円筋
小円筋は肩甲骨と上腕の骨を後ろからつなぐような形をしていて、腕の骨を外側に回転させる筋肉です。
棘下筋と似たような動作で働くことが多いですが、腕の骨の引っ張られる方向が若干違います。
複数の筋肉で肩関節を保持
ここまでに列挙した筋肉は全て、肩の骨(肩甲骨)に対しての腕の骨(上腕骨)の位置をコントロールしている筋肉なので、これらの筋肉をきちんと鍛えておかないと、インピンジメント・シンドロームのような肩の障害が起こりやすくなってしまうことになります。
特に野球やバレーボール、テニスなど腕を高く上げたり強く振ったりする動作を頻繁に行うスポーツでは、ローテーターカフを構成する筋肉のバランスを高いレベルで保っておく事が重要だと言えるでしょう。
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