腕のインナーマッスル:親指側の挙上1

肘から先の部分(前腕)に位置していて、手首から先の部位を小指側から引っ張り上げるような働きをしているのが尺側手根屈筋(しゃくそくしゅこんくっきん)というインナーマッスルです。

今回ご紹介するトレーニング法「フレクサー・レバレッジ・エクササイズ」では、この腕橈骨筋を鍛えることになります。

尺側手根屈筋の構造と働き

尺側手根屈筋は左の図にあるように、二の腕の骨である上腕骨から、前腕の腕を大きくまたぐようにして手首の関節部分につながっています。

筋肉としてはそれほど太くありませんが、運動中に前腕の小指側に触ってみると、筋肉が動いている様子がすぐに分かるでしょう。

尺側手根屈筋の構造と働き※機能解剖学ソフトウェア「解体演書」の画像を加工して使用しています。

次に右の図をご覧下さい。

筋肉の上に書いてあるオレンジの矢印が、筋肉が収縮する方向です。

尺側手根屈筋が収縮すると、手首の関節の小指側が引っ張られ、手首から先が青い矢印の方向に持ち上がる力が生まれる事が分かると思います。

フレクサー・レバレッジ・エクササイズ

それではトレーニングの方法を説明しましょう。

フレクサー・レバレッジ・エクササイズは、ダンベルなど棒状のものをテコ(レバレッジ)のように動かすことにより行うインナーマッスルの筋力トレーニング種目です。

ちなみに「フレクサー」というのは尺側手根屈筋の英語名(flexor carpi ulnaris)から勝手に省略して命名しました。

STEP1

まずは床にまっすぐに立ち、筋肉を鍛える方の肘をまっすぐ伸ばしましょう。

フレクサー・レバレッジ・エクササイズ ステップ1

ダンベル(あるいは代わりとなる棒状のもの)を持ったら、写真の様に小指側が下になるような姿勢を作ります。

反対側の手は肘に添えて、ダンベルを持った側の腕が動かないようにしっかりと固定しておきます。

STEP2

次に手首の関節を支点として、シーソーのような動きでダンベルの小指側を持ち上げます。

フレクサー・レバレッジ・エクササイズ ステップ2

限界までダンベルを持ち上げたら、次はゆっくりと下ろしてSTEP1の姿勢に戻り、これを繰り返し行います。

この種目を行う上での注意点

フレクサー・レバレッジ・エクササイズを行うに当っての注意点は以下の通りです。

なお、初めてインナーマッスルのトレーニングを行う方は、「インナーマッスル基礎知識」「トレーニングの前に」のコンテンツを必ずご覧下さい。

動作の速度について

厳密に動作の速度をコントロールする必要はありません。

ただ、目安としては腕を外側に回転させる動作に1秒程度、ダンベルを戻す動作に1.5秒程度、動作全体を通してだいたい2~3秒くらいかけて行うと、尺側手根屈筋が収縮している感覚をしっかりつかめると思います。

フレクサー・レバレッジ・エクササイズの動作速度

また、フレクサー・レバレッジ・エクササイズではダンベルの小指側を持ち上げている状態で強い負荷がかかるので、その状態をキープする時間を長くすることでも負荷を上げることができます。

動作の範囲について

手首を動かす範囲は十分に大きく取るのが理想的ですが、関節が痛んだりする場合は無理をして稼働範囲(動作範囲)を広げないようにしましょう。

負荷の強さとセット数

20~30回でほどよい疲労を感じるようにダンベルの重さを調節して下さい。
標準的なセット数は2~3セットです。

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