風呂でインナーマッスル:肩の外回転1

注)このページの筋肉についての解説は「肩のインナーマッスル:外回転1」と同じです。

肩から伸びている上腕の骨を、外側に向かって回転させる(外旋)働きをしているのが棘下筋(きょくかきん)というインナーマッスルです。

今回ご紹介するトレーニング法「アウトワード・ローテーション」では、この棘下筋を鍛えることになります。

棘下筋の構造と働き

棘下筋は、背中の肩甲骨のあたりから上腕の骨に向かって伸びていて、左の図のように、上腕の外側を巻き込むような形で骨につながっています。

棘下筋の構造と働き※機能解剖学ソフトウェア「解体演書」の画像を加工して使用しています。

次に右の図をご覧下さい。オレンジの矢印が筋肉の収縮する方向です。
棘下筋が収縮すると、上腕骨の外側を背中の方に引っ張られて、上腕骨を外側に回転させる(青色の矢印の方向)に力が働くのがわかると思います。

アウトワード・ローテーション

それではトレーニングの方法を説明しましょう。

アウトワード・ローテーションは、アウトワード(外側)に腕を回転(ローテーション)させるインナーマッスルの筋力トレーニング種目です。

写真では見やすくするためお湯を入れずに撮影していますが、実際は入浴中に水の抵抗を利用してトレーニングすることを想定しています。

STEP1

脚が動作の邪魔にならないように、湯船の中で膝を伸ばして座ります。

写真のように筋肉を鍛える側の腕を直角に曲げ、反対側の手を添えて肘を固定しましょう。

アウトワード・ローテーション ステップ1

腕を外側に向かって回転させるので、腕の内側から肘を押さえるような感じにするといいと思います。

ヒジを曲げた方の腕の前腕(ヒジから先の部分)が、ほぼ床と並行になるようにしてください。

STEP2

水の抵抗を感じるくらいの速度で、筋肉を鍛える方の腕を体の外側、浴槽の壁の方向に向かって回転させます。

アウトワード・ローテーション ステップ2

手が浴槽の壁スレスレに来るくらいまで腕を回転させたら、ゆっくりと腕を戻してSTEP1の姿勢に戻ってください。

この種目を行う上での注意点

インワード・ローテーションを行うに当っての注意点は以下の通りです。

なお、初めてインナーマッスルのトレーニングを行う方は、「インナーマッスル基礎知識」「トレーニングの前に」のコンテンツを必ずご覧下さい。

動作の速度について

腕を内側に向かって回転させるときはスッと一息で、戻す時はややゆっくり行います。

動作の速度が速ければ速いほど筋肉に負荷がかかりやすくなりますが、あまり力むとインナーマッスルではなくアウターマッスルが働いてしまうので注意して下さい。

負荷が足りないと思ったときは、腕を早く動かそうとするよりも、写真のように手を開いて状態水の抵抗を大きくすることで負荷を調節しましょう。

アウトワード・ローテーションの負荷調整

この場合は、腕を戻すときだけ握りこぶしをつくるようにすると、スムーズに動作を行えると思います。

動作の範囲について

よほど大きなバスタブがある家でなければ、チューブ等と同じだけの動作範囲を確保することは難しいと思いますが、手がぶつからない範囲でできるだけ大きく動かすようにしましょう。

棘下筋に負荷がかかる範囲

ただし、棘下筋が十分に働くのは、腕をまっすぐ前に出した姿勢を基準として内側に60度、外側に30度程度です。

この範囲を外れると棘下筋以外の筋肉が主役になってしまうので注意してください。

負荷の強さとセット数

20~30回でほどよい疲労を感じるように、手の開き方や動作の速度を調節してみて下さい。

標準的なセット数は2~3セットです。

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